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住宅ローン金利ニュース

  • 2019/11/16
    [2019年12月の住宅ローン金利予測]
    長期金利は-0.080%。固定金利は0.05%程度上昇の可能性。


    住宅ローン金利と関係の深い、長期金利と短期金利は以下の通り。


    ■長期金利

     長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは先月の-0.165%から-0.080%に上昇。



    ■短期金利

     短期金融市場の無担保コール翌日物金利(加重平均、速報)は先月の-0.051%から-0.063%に低下し引き続きマイナス水準。

    <寸評>

     もう6年以上前となってしまったが、2013年4月に日銀から発表された「量的・質的金融緩和」策は極めて大規模なもので市場の予想を上回る内容であった。金融緩和発表直後は金利が急上昇した局面もあったが、その後金利は順調に低下している。

     さらに金利低下の「ダメ押し」となったのは、2016年1月に発表された「マイナス金利」政策である。発表直後から長期金利は素直に低下し、マイナス金利水準まで低下した。特に2016年7月半ばにはBrexitショックや、追加緩和期待から−0.3%近くまで低下したことは記憶に新しい。

     ただ一方で2016年後半から長期金利は回復が始まった。加えて2016年11月8日に実施されたアメリカ大統領選挙で大規模な減税と財政出動を約束したトランプ氏が当選したことからアメリカのみならず日本でも「株高・金利高」が進み、長期金利はプラス圏に回復した。

     住宅ローンユーザーからすればそうした金利上昇の動きは誠に残念だったが、ただここから長期金利がどんどん上昇していくかと言えばそれは無い。と言うのも2016年9月の日銀金融政策決定会合で発表された「金融緩和の枠組み変更」において、長期金利の金利誘導目標が「0%」に設定されたからである。

     気になる動きとしては2018年7月31日に日銀から長期金利の変動幅拡大が発表され、新たな金利変動幅は「−0.2%〜0.2%」となり実質的に金利引き上げを狙ったものと言えるが、仮に上限である0.2%に上昇したとしても引き続き歴史的な低水準であるのは間違いない。

     今後金利が多少上昇するとしても、日銀の金利操作によって金利が「上限」以下に抑えられていくと考えられることから安心できる。

     ここで80年代からの長期金利の推移を振り返るとこのようになっている。



     長期金利は短期的には2006年をピークに、長い目で見れば1990年をピークに長期低下傾向にあるが、そうした中でも今の金利水準は、「異次元の低金利」であることが分かる。

     なお毎回書いていることであるが、注意すべきなのは前回最も金利が低下した16年前の2003年である。2003年の金利の動きを見てみると、その後の景気回復期待により急上昇したことが分かる。景気回復の直前が最も金利が低く、かつ、今後日本の景気が回復していくということであれば、同じ様な動きとなる可能性がゼロではない。

     現状の金融緩和の枠組みや、2%物価目標達成に対する日銀の強いコミットメント、足元の弱い物価指標などを踏まえれば、現時点でこうした金利上昇を恐れる必要は全くないものの、今後景気や物価が大きく回復し、金融緩和が終了した場合の中長期的な金利上昇の可能性については留意しておくべきである。

     ただグラフを見る限り仮に2003年のように上昇したとしても長期金利が2%を超えることはなさそうではあるが。

     また実際に心配すべきなのはむしろ、上記の通り昨年7月に発表された「金利変動幅拡大」のような形での実質的な金利上昇容認=「ステルス金利引き上げ」と言えるかもしれない。

    2019年12月の住宅ローン金利動向予測

     気になる2019年12月の住宅ローン金利の動向と予測であるが、説明したように日銀によって長期金利の本格的な上昇は抑えられていることもあり大きく動く可能性は低い。

     2018年7月末に発表された「金利変動幅拡大」による金利上昇圧力が懸念材料ではあったが、実際には冒頭のグラフをご覧いただければ分かるように長期金利はその後大きく低下している。2019年7月末に発表されたアメリカFRBの「利下げ」やその後の「連続利下げ」によって各国で金融緩和の動きが強まったことが背景にあるものと思われる。

     ただ一方で、足元の長期金利は引き続きマイナス水準にはあるもののハッキリとした上昇基調となっている。これは米中の貿易協議が妥結し、アメリカの対中関税が段階的に縮小されるという見通しが広まっているのが主因である。

      来年の秋にアメリカの大統領選挙が行われることを考えれば、遅かれ早かれどこかのタイミングで妥結されるのは間違いないとは思うが、もしそうなれば世界経済の失速懸念は後退し、FRBの「予防的利下げ」も必要なくなり、結果的に金利が上昇すると予想するのは当然である。

     これまでの金利低下の動きが一旦終息しそうである点にはご注意いただきたい。もし仮に長期金利が上昇したとしても上記の通り最大でも+0.2%ということではあるが。

     さてのその長期金利の具体的な金利水準としては1ヶ月前の「−0.165%」から本日は「−0.080%」に上昇している。来月の住宅ローン金利の予測にあたってはこの「−0.165%」から「−0.080%」への金利の動きを考慮したい。

     ちなみに、いつも早めに翌月の金利を発表しているソニー銀行の12月の金利変動はこのようになっている。

    ◆ソニー銀行の11月と12月の住宅ローン金利変動

      ・変動金利 : 
    据え置き
      ・10年固定 : 据え置き

      ・20年固定 : +0.068%上昇
      ・30年固定 : +0.062%上昇


     20年固定金利と30年固定金利は共に+0.06%程度の上昇となっている。上記長期金利の上昇幅とほぼ同じである。

     なお毎回述べていることであるが、来月の住宅ローン金利を占う上で注意しないといけないのは、ソニー銀行は毎月半ばで翌月の金利を決定している一方で、メガバンクなど他行は毎月25日前後に翌月の金利を決定していると目されていることから、月中に金利の変動があると利上げ・利下げの判断が変わる可能性がある。

     そこで念のため2019年10月25日前後からの国債の金利推移もチェックしておくとこうなる。

    ・10年債 : −0.145% → −0.067% (上昇
    ・20年債 : 0.249% → 0.297% (上昇
    ・30年債 : 0.392% → 0.443% (上昇
    ・40年債 : 0.426% → 0.480% (上昇

     こちらもやはり同じように+0.06%程度の上昇となっている。そうしたわけで12月の住宅ローン金利は「固定金利は+0.05%程度上昇」と予想したい。

     他方、ソニー銀行の変動金利タイプも来月は据え置きとなっているが、変動金利タイプのベースとなる短期金融市場の無担保コール翌日物金利は−0.063%とマイナス水準を維持している。

     新たな金融緩和の枠組みの元では、こうした短期金利については「マイナス水準」が維持されることになっており心強い。

     結果的に毎月金利が変動するのは固定金利タイプであり、変動金利タイプについてはその名称に関わらず多くの銀行で「据え置き」が続いている。動きがあるとしても最近のネット銀行のように「引き下げ」のみである。

     住宅ローン変動金利ユーザーの方はご安心いただきたい。

     最後に、ここから来月の住宅ローン金利が決定されるであろう11月25日頃までの約10日間の間に市場金利に大きな動きがあればこうした見通しが変わる可能性がある点はお含みおきいただきたい。

     参考になれば幸いである。


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