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住宅ローン金利ニュース

  • 2018/6/16
    [2018年7月の住宅ローン金利予測]
    長期金利は0.030%。固定金利はわずかに上昇も全体的には変化なし。


    住宅ローン金利と関係の深い、長期金利と短期金利は以下の通りです。


    ■長期金利

     長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは先月の0.055%から0.030%へわずかに下落。



    ■短期金利

     短期金融市場の無担保コール翌日物金利(加重平均、速報)は先月の-0.036%から-0.064%に低下し引き続きマイナス水準。

    <寸評>

     もう5年以上前となってしまったが、2013年4月に日銀から発表された「量的・質的金融緩和」策は極めて大規模なもので市場の予想を上回る内容であった。金融緩和発表直後は金利が急上昇した局面もあったが、その後金利は順調に低下している。

     さらに金利低下の「ダメ押し」となったのは、2016年1月に発表された「マイナス金利」政策である。発表直後から長期金利は素直に低下し、マイナス金利水準まで低下した。特に2016年7月半ばにはBrexitショックや、追加緩和期待から−0.3%近くまで低下したことは記憶に新しい。

     ただ一方で2016年後半から長期金利は回復が始まった。また2016年11月8日に実施されたアメリカ大統領選挙で大規模な減税と財政出動を約束したトランプ氏が当選したことからアメリカのみならず日本でも「株高・金利高」が進んだ。実際、長期金利はプラス圏に回復して現在に至っている。

     住宅ローンユーザーからすればそうした金利上昇の動きは誠に残念だったが、ただここから長期金利がどんどん上昇していくかと言えばそれは無さそうである。と言うのも2016年9月の日銀金融政策決定会合で発表された「金融緩和の枠組み変更」において、長期金利の金利誘導目標が「0%」に設定されたからである。

     仮にそこから金利が大きく上昇=国債価格が大きく下落したとしても、日銀が国債金利が0%前後になる水準で無制限に買い続けるものと思われ、さらなる金利上昇は考えにくい。実際、2017年2月初めに長期金利は0.15%まで上昇し、2017年7月上旬にも0.105%まで上昇したが、日銀が「国債を無制限で0.11%で購入する」という指値オペを実施したことから、すぐに0.1%以下の水準に戻っている。

     今年の2月2日にもやはり長期金利が0.095%に上昇したことから昨年と同じように「0.11%の指値オペ」が実施され、日銀の許容する金利上昇はあくまで「0.10%まで」であることを金融市場に明確に伝えた。

     上記グラフの通り、2017年以降、今年に入っても長期金利は安定的に推移していることが分かる。住宅ローンユーザーにとっては誠に力強い援軍であるが、このまま日銀の金利操作によって金利上昇が抑えられていくことを期待したい。

     ここで80年代からの長期金利の推移を振り返るとこのようになっている。



     長期金利は短期的には2006年をピークに、長い目で見れば1990年をピークに長期低下傾向にある。しかしそうした中にあっても今の金利水準は、「異次元の低金利」であることが分かる。

     なお毎回書いていることであるが、注意すべきなのは前回最も金利が低下した15年前の2003年である。2003年の金利の動きを見てみると、その後の景気回復期待により急上昇したことが分かる。景気回復の直前が最も金利が低く、かつ、今後日本の景気が回復していくということであれば、同じ様な動きとなる可能性がゼロではない。

     上記の通り現状の金融緩和の枠組みや、2%物価目標達成に対する日銀の強いコミットメント、足元の弱い物価指標などを踏まえれば、現時点でこうした金利上昇を恐れる必要は全くないものの、今後景気が順調に回復し、アメリカと同様に日本でも金融緩和が縮小した場合の中長期的な金利上昇の可能性については留意しておくべきである。

     グラフを見る限り仮に2003年のように上昇したとしても長期金利が2%を超えることはなさそうではあるが。

    2018年7月の住宅ローン金利動向予測

     さて気になる2018年7月の住宅ローン金利の動向と予測であるが、説明したように日銀によって長期金利の本格的な上昇は抑えられていることもあり、今月の金利と比較して大きく動く可能性は低い。

     ただ細かく見れば長期金利は1ヶ月前の「0.055%」から「0.030%」に低下しているわけで、今のところわずか「−0.025%」の低下ながら、来月の住宅ローン金利を予測するにあたり考慮する必要がある。

     ちなみに、いつも早めに翌月の金利を発表しているソニー銀行の7月の金利変動はこのようになっている。

    ◆ソニー銀行の6月と7月の住宅ローン金利変動

      ・変動金利 : 
    据え置き
      ・10年固定 : −0.007%
      ・20年固定 : +0.008%
      ・30年固定 : +0.005%

     バラツキはあるものの全体的には先月と比較して小数点以下第3位の動きにとどまっており、実質的には「据え置き」となっている。

     なお毎回述べていることであるが、来月の住宅ローン金利を占う上で注意しないといけないのは、ソニー銀行は毎月半ばで翌月の金利を決定している一方で、メガバンクなど他行は毎月25日前後に翌月の金利を決定していると目されていることから、月中に金利の変動があると利上げ・利下げの判断が変わる可能性がある。

     そこで念のため2018年5月25日からの金利推移もチェックしておくとこうなる。

    ・10年債 : 0.039% → 0.046% (上昇
    ・20年債 : 0.513% → 0.518% (上昇
    ・30年債 : 0.720% → 0.730% (上昇
    ・40年債 : 0.855% → 0.868% (上昇

     こちらは10年債も含めてすべての主要な期間で上昇しているが、とはいえその上昇幅はわずかである。そうした点を踏まえると7月の住宅ローン金利は、「固定金利はわずかに上昇する可能性があるが全体的には変化なし」としたい。

     他方、ソニー銀行の変動金利タイプは来月は据え置きとなっているが、変動金利タイプのベースとなる短期金融市場の無担保コール翌日物金利も−0.064%とマイナス水準を維持している。

     新たな金融緩和の枠組みの元では、こうした短期金利については「マイナス水準」が維持されることになっており心強い。

     結果的に毎月金利が変動するのは固定金利タイプであり、変動金利タイプについてはその名称に関わらず多くの銀行で「据え置き」が続いている。動きがあるとしても最近のネット銀行のように「引き下げ」のみである。実際、5月はりそな銀行と住信SBIネット銀行が立て続けに借り換え金利を引き下げた。

     住宅ローン変動金利ユーザーの方はご安心いただきたい。参考になれば幸いである。

     最後に、ここから来月の住宅ローン金利が決定されるであろう6月25日頃までの約10日間の間に市場金利に大きな動きがあればこうした見通しが変わる可能性がある点はお含みおきいただきたい。



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