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住宅ローン金利ニュース

  • 2018/1/16
    [2018年2月の住宅ローン金利予測]
    長期金利は0.075%。固定金利は+0.03%程度上昇も、変動金利はネット銀行の引き下げが出揃う。


    住宅ローン金利と関係の深い、長期金利と短期金利は以下の通りです。


    ■長期金利

     長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは先月の0.045%から0.075%へわずかに上昇。



    ■短期金利

     短期金融市場の無担保コール翌日物金利(加重平均、速報)は先月の-0.037%から-0.029%に上昇するも引き続きマイナス水準。

    <寸評>

     もう5年近く前となってしまったが、2013年4月に日銀から発表された「量的・質的金融緩和」策は極めて大規模なもので市場の予想を上回る内容であった。金融緩和発表直後は金利が急上昇した局面もあったが、その後金利は順調に低下している。

     さらに金利低下の「ダメ押し」となったのは、2016年1月に発表された「マイナス金利」政策である。発表直後から長期金利は素直に低下し、マイナス金利水準まで低下した。特に2016年7月半ばにはBrexitショックや、追加緩和期待から−0.3%近くまで低下したことは記憶に新しい。

     ただ一方で2016年後半から長期金利は回復が始まった。そのキッカケとなったのが2016年7月末に発表された追加金融緩和であるが、中身が「ETF購入のみ」であり、金融市場が失望したことから金利は大きく上昇した。

     さらに2016年11月8日に実施されたアメリカ大統領選挙で大規模な減税と財政出動を約束したトランプ氏が当選したことからアメリカのみならず日本でも「株高・金利高」が進んだ。実際、長期金利はプラス圏に回復して現在に至っている。

     住宅ローンユーザーからすればそうした金利上昇の動きは誠に残念であったが、ただここから長期金利がどんどん上昇していくかと言えばそれは無さそうである。と言うのも2016年9月の日銀金融政策決定会合で発表された「金融緩和の枠組み変更」において、長期金利の金利誘導目標が「0%」に設定されたからである。

     仮にそこから金利が大きく上昇=国債価格が大きく下落したとしても、日銀が国債金利が0%前後になる水準で無制限に買い続けるものと思われ、さらなる金利上昇は考えにくい。実際、2017年2月初めに長期金利は0.15%まで上昇し、2017年7月上旬にも0.105%まで上昇したが、日銀が「国債を無制限で0.11%で購入する」という指値オペを実施したことから、すぐに0.1%以下の水準に戻っている。

     上記グラフの通り、2017年以降、今年に入っても長期金利は安定的に推移していることが分かる。誠に力強い援軍であるが、このまま日銀の金利操作によって金利上昇が抑えられていくことを期待したい。

     ここで80年代からの長期金利の推移を振り返るとこのようになっている。



     長期金利は短期的には2006年をピークに、長い目で見れば1990年をピークに長期低下傾向にある。しかしそうした中にあっても今の金利水準は、「異次元の低金利」であることが分かる。

     なお毎回書いていることであるが、注意すべきなのは前回最も金利が低下した15年前の2003年である。2003年の金利の動きを見てみると、その後の景気回復期待により急上昇したことが分かる。景気回復の直前が最も金利が低く、かつ、今後日本の景気が回復していくということであれば、同じ様な動きとなる可能性がゼロではない。

     上記の通り現状の金融緩和の枠組みや、2%物価目標達成に対する日銀の強いコミットメント、足元の弱い物価指標などを踏まえれば、現時点でこうした金利上昇を恐れる必要は全くないものの、今後景気が順調に回復し、アメリカと同様に日本でも金融緩和が縮小した場合の中長期的な金利上昇の可能性については留意しておくべきかもしれない。

     グラフを見る限り仮に2003年のように上昇したとしても長期金利が2%を超えることはなさそうではあるが。

    2018年2月の住宅ローン金利動向予測

     さて気になる2018年2月の住宅ローン金利の動向と予測であるが、上記の通り日銀によって長期金利の本格的な上昇は抑えられていることもあり、今月の金利と比較して大きく動く可能性は低い。

     ただ細かく見れば長期金利は1ヶ月前の「0.045%」から「0.075%」に上昇しているわけで、今のところわずか「+0.030%」の上昇ながら、来月の住宅ローン金利を予測するにあたり考慮する必要がある。

     ちなみに、いつも早めに翌月の金利を発表しているソニー銀行の2月の金利はこのようになっている。

    ◆ソニー銀行の1月と2月の住宅ローン金利変動

      ・変動金利 : 
    −0.022%
      ・10年固定 : +0.030%
      ・20年固定 : +0.035%
      ・30年固定 : +0.037%

     固定金利についてはいずれも+0.03%程度の上昇になっている。特に10年固定金利についてはピッタリ+0.03%であり、上記長期金利の上昇に完全に連動したものと言える。

     しかし注目は何といっても変動金利を−0.022%引き下げてきた点にある。確かに2月は住宅ローンの需要が伸びる時期ではあるが、金利を引き下げた理由はそれだけではなく、すでに住信SBIネット銀行やじぶん銀行などのネット系銀行が変動金利を引き下げており、それに追随したものと思われる。

     競争の高まりは住宅ローンユーザーにとってはメリットであることから、ネット系銀行各行の更なる企業努力に期待したい。最近では大手行の住宅ローン撤退報道もあることから尚更である。

     なお毎回述べていることであるが、来月の住宅ローン金利を占う上で注意しないといけないのは、ソニー銀行は毎月半ばで翌月の金利を決定している一方で、メガバンクなど他行は毎月25日前後に翌月の金利を決定していると目されていることから、月中に金利の変動があると利上げ・利下げの判断が変わる可能性がある。

     そこで念のため2017年12月25日からの金利推移もチェックしておくとこうなる。

    ・10年債 : 0.036% → 0.074% (上昇
    ・20年債 : 0.563% → 0.594% (上昇
    ・30年債 : 0.810% → 0.828% (上昇
    ・40年債 : 0.980% → 0.988% (上昇

     こちらも全体的に+0.03%前後の金利上昇となっている。そうした点を踏まえると2月の住宅ローン金利は、「+0.03%程度上昇する可能性あり」としたい。

     ただネット系銀行はともかくとして、多くの銀行は0.05%刻みなどで金利を変動させており、+0.02%や+0.03%といった細かな変動幅で金利を動かすかどうかは微妙で、その点ではむしろ「全体的に据え置き」と考えていただいても良さそうである。

     なお、ソニー銀行の変動金利タイプは来月は引き下げとなったが、変動金利タイプのベースとなる短期金融市場の無担保コール翌日物金利も−0.029%とマイナス水準を維持している。

     新たな金融緩和の枠組みの元では、こうした短期金利についてはマイナス水準が維持されることになっており心強い。

     いずれにしても毎月金利が変動するのは固定金利タイプであり、変動金利タイプについてはその名称に関わらず多くの銀行で「据え置き」が続いている。動きがあるとしても最近のネット銀行のように「引き下げ」のみである。住宅ローン変動金利ユーザーの方はご安心いただきたい。

     最後に注意事項としては、ここから1月25日までの10日間の間に市場金利に大きな動きがあれば見通しが変わる可能性がある点はお含みおきいただきたい。

     参考になれば幸いである。


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